よくある質問:
心不全について

Q. 足にむくみが出てきたら、心不全になったということですか?

A. むくみは心不全の症状のひとつですが、肝臓や腎臓の病気でもむくみはあらわれます。心不全かどうかは、息苦しさや疲れやすさ、基礎疾患等さまざまな要素や検査結果をみてから判断することになります。

Q. 心不全になったら、スポーツはもうできないのでしょうか?

A. 心不全の重症度や、心不全に合併することが多い不整脈の種類によっても変わりますので、主治医の先生に指導された運動量を守ってください。苦しくなったときは、すぐに運動を中止しましょう。

Q. 血圧や血糖値が高いことも、心不全の悪化に関係しますか?

A. 心不全の原因はいくつかありますが、高血圧は血管の中を流れる血液の圧力が高い状態なので、心臓が血液を送り出すために大きな負担がかかってしまいます。糖尿病は、心臓病や血管疾患を起こしやすくする危険因子です。なので、血圧も血糖値も、高い状態が続くことは心不全にとって良くありません。

Q. 心不全が悪くなると、なぜ横になったときに苦しくなるのですか?

A. 心不全の患者さんは、体内に血液を循環させる力が低下しているだけでなく、肺に水分がしみ出して酸素を血液に取りこみにくい状態にあります。身体を横にすると、下半身から心臓に戻る血液の量が増えて、心臓への負担がさらに大きくなり、苦しくなります。また、起き上がった姿勢に比べて内臓が肺を圧迫するため呼吸自体も苦しくなります。上半身を起こすことで楽になりますが、これは「起坐呼吸」といって心不全に特徴的な症状です。

Q. どのくらい悪くなったら入院しなければなりませんか?

A. 症状が軽い場合は外来で治療します。仰向けになって寝るとせき込んで眠れない、身体を起こすと楽になる、という状態であればすぐに入院して治療しなくてはなりません。病状が変化したら早めに受診することが重要です。

Q. 心不全の治療薬を複数飲んでいます。一生同じ数を飲み続けることになるのでしょうか?

A. 慢性心不全では薬物治療が不可欠です。そして、それぞれの薬剤の処方目的が違うので複数処方されているのです。心不全の状態に応じて、薬の種類が変わったり、量が変更になったりします。自覚症状が良くなったからといって自分の判断で薬を減らしたりやめたりしないことが大切です。

Q. 塩分や水分の量を制限されています。なぜですか?

A. 塩分の多い食事をとっていると、血液中の塩分濃度をちょうどよく保つために水分を多く摂取したり、水分の排泄が制限されたりした結果、身体がむくんでしまいます。この状態は機能の低下した心臓にさらに負担を強いることになります。そのため、心不全治療の一環として塩分や水分の制限が行われます。

Q. 減塩がうまくいっているか簡単に知る方法はありますか?

A. 退院時には体重が減っていても、しばらくすると体重が増えてくることがよくあります。ほとんどの場合、原因は自宅に戻ってから塩分の摂取量が増えたためです。退院後も毎日体重を測ることが、ひとつの指標となります。

Q. 太りすぎといわれました。ダイエットしないとだめですか?

A. 肥満は心臓の病気にとって大きな危険因子です。心不全になっていなくても、心臓の病気といわれたら肥満傾向にある方はゆっくりと適度な減量に取り組んでください。BMI(ボディ・マス・インデックス)が25以上の場合に肥満といいます。
BMI = 体重 (kg) ÷ 身長 (m) ÷ 身長 (m)

Q. 妊娠や出産は諦めなくてはなりませんか?

A. 心不全が重症であれば、妊娠・出産は母体に危険を及ぼします。妊娠中に母体の体重が増えるとともに全身の血液量も増え、心臓に大きな負担をかけてしまうからです。軽症であれば出産することは可能ですが、産婦人科、循環器科の医師と相談し、慎重に経過をみていく必要があります。

Q. 性生活への制限はありますか?

A. 心不全の程度によって、性行為による症状悪化や突然死の危険性があります。一部の心不全治療薬は副作用として性機能障害を有するため、勃起障害治療薬の服用については主治医の先生に相談しましょう。

あわせて読みたい

心不全
チェックリスト