生活上の注意点
心不全の進行を抑えるためには、まず自分の病気の状態についてよく理解し、毎日の体重測定、塩分や水分の制限、服薬等、病院で指示された自己管理をしっかり続けることが何よりも重要です。
高血圧、高血糖、脂質異常等で心臓に負担をかけないよう、生活習慣を管理できれば、症状が改善することも期待できます。
禁煙
喫煙による動脈硬化の進行だけでなく、あらゆる面で心臓に負担をかけ、心不全を悪化させます。
禁煙がなかなかできない方は、専門の医師(禁煙外来)に相談されることをおすすめします。
食事制限
塩分は、身体に水分が溜まりやすくしたり、動脈硬化を進行させたりします。
心臓の機能が低下していると特に身体に水分が溜まりやすいため、心臓への負担を軽減するために塩分と水分を制限します。
また、高血糖や肥満の方は、カロリー制限も必要になります。
何をどれだけ制限するかは心不全の状態によって変わるので、医師や栄養士の指示に従いましょう。
体重測定
心臓の機能が低下して身体に水分が溜まりやすくなった結果、体重が急に増えてしまいます。
毎日だいたい決まった時間に測定し、2~3日で2㎏以上体重が増えるようなことがあれば、早めに医師に相談しましょう。
排泄チェック
尿量や便の回数等に変化がないか、毎日チェックしましょう。
尿量や回数が減った、あるいは下痢や便秘等、便通にいつもとは違う状態がみられたら、医師に相談しましょう。
入浴方法
入浴時、湯船のお湯が熱すぎたり、長く浸かりすぎたりすると心臓に負担がかかります。
ぬるめのお湯(40度程度)に鎖骨の下あたりまで浸かり、10分以内にとどめましょう。
また、温かい部屋から急に冷えた浴室に入ると、血圧が急に上がるため危険です。入浴前には、脱衣所や浴室等を温かくしてから入りましょう。
睡眠と休息
心臓は24時間365日絶えず働き続けています。しかし、睡眠中は全身で必要とする血液が低下するので、心臓も最低限の働きをして休息します。
心臓の負担を軽くするためにも、良質な睡眠をとることはとても重要です。
心不全の症状による息苦しさなどで眠れないことがある場合は、すぐに医師へ相談しましょう。
適度な運動
安定期であれば、室内を歩いたり軽くストレッチをしたりするなどの適度な運動は、日常生活における症状を改善し、身体の機能を維持するためにも有効です。
また、過度な安静はかえって調子を悪くすることがわかっています。
ただし、心不全が急に悪化したときなど、病状によっては運動してはいけない場合がありますので、運動の時期や量については必ず医師の指示に従いましょう。
併存疾患の管理
心臓の機能が低下して身体に水分が溜まりやすくなった結果、体重が急に増えてしまいます。
毎日だいたい決まった時間に測定し、2~3日で2㎏以上体重が増えるようなことがあれば、早めに医師に相談しましょう。