心不全について

 

心不全について

弁膜症とは

心臓のポンプ機能を支えているのが、心臓内にある4つの弁です。(右心系にある肺動脈弁、三尖弁、左心系にある大動脈弁、僧帽弁)心臓の弁膜症は、この弁の開閉がうまくいかない状態を指し、弁の開放が不十分な「狭窄症」、弁が完全に閉じずに血液が逆流する「閉鎖不全症」があります。4つの弁でこの現象が起きるため、弁膜症には8つのタイプがありますが、約9割は左心系にある大動脈弁、僧帽弁で起こります。
いずれのタイプでも、弁の障害が強くなると、心臓は肺や全身へ十分な血液を送れなくなり心不全に陥ります。

心臓弁膜症の種類と発症頻度

弁膜症の種類

僧帽弁狭窄症(MS)

左房・左室の間にある僧帽弁の開放が不十分となり、拡張期に左房から左室への血液が出ていきにくくなります。初期には、運動時に呼吸が苦しくなる症状が多くみられます。

  • 治療
    症状が軽い場合は特別な治療を必要としません。
    弁の開口面積が狭かったり血管に血栓がつまったりする場合、カテーテルを使った拡張や外科手術の適応となります。
僧帽弁閉鎖不全症(MR)

左房・左室の間にある僧帽弁が完全に閉じずに血液が逆流することにより、収縮期に血液が逆流してしまいます。左心系に負担がかかり、拡大します。

  • 治療
    急性の場合、肺に水がたまる肺水腫や心不全等激しい症状がでやすいため、外科手術を行います。慢性の場合は心不全を起こしたり、日常生活に支障をきたしたりする場合に、外科手術の適応となります。
大動脈弁狭窄症(AS)

大動脈弁の開放が不十分となり、収縮期に左室から大動脈への血液が送り出す際に障害が出てきます。リウマチ熱による後遺症が多かったのですが、最近は加齢による動脈硬化の影響で、弁が変性して起こるタイプも多くなっています。また生まれつき大動脈弁が2枚しかない二尖弁が原因のこともあり、高齢者で多く発症します。
症状としては、はじめは動悸や息切れがみられ、悪化すると狭心症、失神、心不全などを起こし、突然死に至る可能性が高まります。

  • 治療
    症状が重い場合は外科手術の適応となりますが、最近ではカテーテルを使った手術が行われることもあります。
大動脈弁閉鎖不全症(AR)

大動脈へ送られた血液の一部が逆流します。リウマチ熱の後遺症も多いのですが、大動脈の動脈硬化の影響により弁の変性が起こり、発症するタイプも増えています。症状としては、息切れ、むくみ、胸の痛みなどがでてきます。

  • 治療
    症状がみられた時はかなり症状が進んでおり、外科手術が必要となります。
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